2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

歯槽膿漏は文化的環境の所産か?

大江匡房(1041〜1111)の江談抄に「元旦から三日の間に御薬、御歯固として天皇に鹿一盛、猪一盛を差し上げる」という記事がありました。注記にはありませんが、おそらくこの猪は豚であったと思われます。 豚は既に弥生時代には食べられていたようで…

虫の声しげく

虫の声が朝方まで、聞こえます。虫の声を、さびしとかわびしか云々するのは、王朝遺族のこころ弱いわざであって、日常茶飯に、ものくるわしい現今の庶民には、埒外の趣味だとしてよいでしょう。 冬近く、肌寒いころになると、虫の音も枯れて寂しくなりますが…

医師か祈祷師か

松浦静山著の「甲子夜話」に、平戸領内での見聞として、医師と祈祷師が口論した話があります。昔のこととて、病状が深刻な時は、お医者さんにも、ご祈祷師さんにも望みをかけるのが人情です。どちらにもお願いして、幸い病人は無事を得ました。 そのところで…

われこそは

福岡県桂川町にある王塚装飾古墳館(http://www.ouzuka.jp/) を見学しました。ここの古代馬の塑像?はユーモラスですが、写真が禁じられていますのでホームページでご覧ください。 昭和五十年代に初めて訪れた時は、雨水避けの大きなシートが被せてありまし…

苦髪楽爪

このごろは丹頂チックの匂いを嗅ぎません。チックですから、粘っこい匂いでした。どうかすると、エレベーターに、しばらく籠っておりました。 指の爪はよく伸びるものです。不精すると、爪の間に黒い垢が溜まり、慌てて鋏を使います。インクや墨汁の汚れが入…

昆虫採集

夏休みが終わって子供たちが、またわが家の前を通るようになりました。思いなしか朝はいくぶん粛々と、戻りは明朗闊達に、雨傘で叩き合いなどしながら、帰路を楽しんでいます。 わたしたちのころには、夏休みの宿題としての昆虫の標本採集もありました。しか…

夢のような話

君には君の夢があり 僕には僕の夢がある という歌のような夢は、明日に駆ける希望を言うのでしょう。 悪夢のような出来事でしたと、いう夢は、どうでしょうか。 浮生若夢と言えば、はかないもの、はっきりしないもの、と言うことです。むかしの物語には、夢…

敵もさるもの引っ掻くもの

大東亜戦争中、すでにわが方に利あらずの頃、「必中弾」という新兵器が出来た、との噂を聞きました。とるに足らぬ噂は、わたしが住んでいた街に限らず、全国各地にあったことを後ほど知りました。 華々しい戦果にかかわらず、敗色の雰囲気濃くなりましたので…