2012-01-01から1年間の記事一覧

2004−07−22

井蛙日記の始まりは平成一六年です。朝日新聞夕刊Bにブログの手引がありました。「はてな」のガイドブックを読みながら手探りでした。しばらくして其蜩庵井蛙坊を始めました。現在昭和六年生まれの私には二つは無理です。二者選択に困りました。どうにか続け…

往来手形

江戸時代、庶民が旅行をする際の、旅行許可券と身分証明書を兼ねたもの。檀那寺・町役人が発行し、関所・番所あるいは所々の役人・寺社などに呈示する。往来書付(広辞苑) いまさら縷々することは無いと思ったのですが、三軒先が国境などの位置にある村落など…

六白金星

暦によると今年は六白金星となっています。織田作之助の作に「六白金星」があります。あらかた筋は忘れていますが、博才がある男の話ではなかったでしょうか。 私は六白金星ですが、ジャンケンに始まり勝負事に到ってこれはと思える出来事がありません。ただ…

パソコンとワープロ

私が最初に使ったワープロはキャノワードでした。文字表示は二行十五字、記憶はテープレコーダーでした。その後デスプレーの着いた機械が二十五万円でしたからその半分程度の値段だったと思います。現在携帯電話が使えるのは機械器具の巧妙さは勿論のことで…

魚の触覚  

魚の五感のうち人間に似た器官の眼・耳・口・鼻などは推測できますが、側線が触覚を司っているその「側線」がよくわからなかったので保留にしておりました。それでは知識として落ち着かないので前述の本で補足します。 『側線は、表面的には頭から尾に向かっ…

魚の五感

以前お魚博士の本で魚の味覚について書いたことがありました。「ウニの赤ちゃんにはとげがない 葛西奈津子著」には詳しい解説があります。読んだ端から直に忘れるので、ブログに要点だけを私は書いておきます。これはと思える知識、主に雑知識ばかりですが、…

防人の木簡

大宝律令以前の飛鳥浄御原令下の「戸籍」「計帳」に関する木簡が当市内で出土し、発掘担当者から講話を拝聴しました。ところが木簡について不知識なので「木簡から古代がみえる 木簡学会編 岩波新書」を泥縄式で読んでみました。せっかちに全てに理解を得る…

鳴かぬ蝉

唐津の海岸に白砂青松の虹ノ松原があります。古来呼称について二里あるからだとする説も有りますが、実測値果たしてどうでしょうか。 それより鏡山の頂から俯瞰し海岸沿って拡がる松原の見事な景観は虹ノ松原がふさわしいと思います。 鏡山も松浦佐世姫が沖…

カイコのこと

小学生のころ伯父の家に行ったときのことを思い出しました。伯父のお母様がおいででしたが、相当なお年寄りでした。しかし、いまでは今の私の年には及ばなかったと思います。遙けくも來つるものかなです。 私は白と黄のマユを戴いたのです。振ると音がしまし…

蟻の浸入

アリの侵入しきりです。 どうやら連中はイエヒメアリのようです。このアリは駆除に手を焼くそうです。もっともたかだか三ミリに及ばない虫ですから、過分な気を廻すのはどうかと思われます。 熊谷守一画伯は日がな一日庭に寝転んでアリが左足から踏み出すか…

冷凍マンモス

一九〇〇年八月シベリヤで冷凍マンモスがラムート人の猟師セミョン・テラビキンによって発見されました。以下の知識は【マンモスをたずねて 井尻正二 著 ちくま少年図書館6】によります。 そもそもマンモスといえば動物の中でも図体が大きい代名詞にされて…

散という字

漢方風なお薬には散という字が使われています。いわく龍角散、後藤散、実母散などで、もうあまり現れてきません。しかし毎日の新聞に挟まれてくる広告の健康促進薬?食品には漢方風な原料が含まれているように見かけられます。ですから手を変え品を変えられ…

虎走散

私はよく徘徊します。往きはいいのですが、戻りは疲れがでます。往復運動にはそのようなきらいがあり、やむを得ないでしょう。梅翁随筆に表題の項があります。 半夏生・辰砂・黄柏・犬山椒・楊梅皮以上を等分に粉末にして、焼酎・膠・鶏卵の何れかで溶いて、…

治山治水

一九七一年(昭和四十六年)七月二〇日)に発行された岩波新書【国土の変貌と水害 著者高橋裕】の冒頭には水害の歴史性について書かれています。 水害、それは時により所によりその発生形態は多様であり、それぞれに傷ましい。 人類の長い歴史を通して、水害は…

私の親戚にやゝ唐津市寄りの町に住んでいますが、家傍の倉庫に狸が住んでいるそうです。建築業ですからそれなりの 物置兼車庫がありますが、ある日かなりの量の野獣の糞を見つけました。即座には判りませんでしたが、これが聞くところの狸の溜め糞だと気づき…

梅雨明けか

昨日クマゼミの鳴声を耳にしました。庭の雑木の上をウスバキトンボが盛んに飛びまわっています。ウスバキトンボについては井上清・谷幸三共著「トンボのすべて」によると次の通りです。 南からやってくるトンボの代表、「薄オレンジ色の体と大きな翅をもつト…

真珠

中西進先生の古代文明と日本のなかに、日本の真珠を採る潜水の技術がペルシャ湾に起源があると書かれていました。 そこで真珠博物館館長松月清郎著「真珠の博物誌」を読んでみました。起源云々については探せなかったのですが、ペルシャ湾での真珠採取は紀元…

アメリカ鰯

昨日魚屋を覗いたら大羽鰯にアメリカ産と書いてありました。別に珍妙なことではありません。同じくアメリカ産のカラスカレー、ペルー産のロールイカ、チリ産のサーモン等々ありです。元禄に書かれた人見必大の本朝食鑑で数えて見たら凡そ四百を超える魚類・…

珍名の補足

珍名のなかで戸長と言う言葉について記憶が曖昧でした。そこで広辞苑を引きました。 【戸長】‥チヤウ 明治初期、町村制施行以前に、町村に置かれた役職。行政事務をつかさどるとともに、町村の代表という性格も持った。1889年(明治22)廃止。 およその記憶…

珍名さん

世間には変わった姓の方がおいでかと思えば、二百万人の佐藤さんを筆頭に鈴木さん百七十万人、伊藤さん百十万人などとと同姓の方々も多いようです。老舗印鑑店主森下恒博氏の著書「珍名さんのいろいろ」による知識です。私の知るところでは「魚屋」さんくら…

思い出の遠近法

雨のため外出出来ないので、古い画集を眺めていると昭和初めの母校舎の写生画がありました。さほどの遠くに住んでいるわけでもなく、不義理をしているわけでもありませんが、その頃の知古友人に出会ったことがありません。もっとも行き擦れ合いに出会ったこ…

ヒトヒト・ヒト

小学校の先生に直接伺った話ではありませんが、特殊な才能を持っている児童がいるそうです。電線に止まった鳥を飛び立つまでに正確に数え得るのだそうです。鳩などですと簡単ですが、椋鳥になると、夥しい数ですから容易ではありません。 野鳥の会会員の方が…

返せ戻せ

先頃「森から来た謎の少年」というニュースがあり、その話は少年のでっちあげであったことでお終いになりました。ただヨーロッパにも神隠しやらいうのがあるのかなと警察の報道を信じやすい私はそう思いました。 母の話ですから大正の終わりか昭和初めの話でし…

灯 り

電気が足りないとかで、停電とか節電とか国家存亡の危機にあるそうです。戦後ローソク送電とかの経験のある又は記憶に留めておられる方も少なくなりました。 「柳田国男児童読み物集―火の昔」という本があります。この火のなかには灯火にはじまり、燃料につ…

八重葎(やえむぐら)

五月の終わり六月にかけての草木の繁茂は実に旺盛です。幸い我が庭は職人さんのお手数をかけるほどではありません。 思ふ人来むと知りせば八重六倉(やへむぐら) おほへる庭に珠敷かましを (万葉集一一・二八二四) 八重葎とは草ぼうぼうのお庭を卑下して…

クレパス

子供の頃からサクラクレパスを使っています。いくらか子供っぽいので外で写生するときには使わないことが多いのですが、二四色を持っています。森羅万象の色をそろえるのは到底無理ですし、下手を気にしなければ便利なものです。 アメリカ人エドウィン・ビニ…

深海のフロンティア

海に希望を賭けようとしたのは凡愚たるものかもしれません。しかし資源の宝庫として幾たびも蟷螂の鎌を振り上げた先人もいました。いま一五五三米の駿河湾の海底で底生生物の観察を「しんかい六五〇〇」を使っての観察が始められているようです。 徳川家斉が…

1001

面白くて面白く難解な本を借りてきました。「人類の歴史を変えた発明1001」です。目方は二キログラムはあります。内容はともかく到底寝転んで読める本ではありません。 まずは 紀元前二六〇万年頃のものだとされる石器に始まります。これは当然納得いきま…

空飛ぶ表具師

ドバトは野鳥ではありません。伝書鳩が野生化した鳥だからだそうです。お宮やお寺も更にはマンションもドバトの侵入に困っていているようです。駆除業者もあり、キラキラ光るCDをぶら下げてあるのを見かけます。 寛政(一七九〇年)以前に備前岡山に表具師幸吉…

真  鴨

子供の頃聞いた話です。揚子江を上流から筏で降りながら家鴨を飼育し、繁華な下流で肥りあがった家鴨を売りさばくのを生業にする中国の人がいる、そんな話を聞いてその暢気さが羨ましく思いました。 近くの川の真鴨は数が減り、小鴨の姿はなくなりました。鴨…