平戸のお殿様のスクラップ・ブック「甲子夜話」には様々なお話が集められています。 落語に「王子の狐」があります。全く同じ話の筋です。 少々人間を舐めた狐がかえって誑かされたのです。娼妓に化けた狐が手のうちを読まれた男に、王子の料理屋に連れて行…

春先になるとすぐにも口をついて出てくる歌があります。 柳青める日燕が銀座に飛ぶ日 見わたせば柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりけり どちらも作者の名は覚えていませんが、嗚呼 春がきたなァと思わせるいい歌です。 ひとつは確か藤山一郎が歌ったと思いま…

昨日本屋さんに本を見てもらいました。捨てるのが惜しいし、どなたか欲しいとおっしゃれば、差し上げたいと思っていました。私見ですが蔵書は財物でないと思っていますから。 燃えるごみとして処分するのには、書籍が如何にも不憫ではありませんか？ いま活…

黒田長政は家老小河内蔵丞と、嫡子忠之の後見役重臣栗山大膳に、次のように遺訓しています。 もしも後々我が子孫に不慮不調法な事があって、黒田家に存亡の危機があったならば、老中所縁のある衆に、当藩家老が出向いて、次のように抗弁せよ。 家康公御武徳…

今日図書錧で「キリシタン時代の研究」という本をお借りしてきました。時間があったので、「家訓集 東洋文庫」を、捲っていましたら、黒田長政遺言を見ました。 わが家の遠つ先祖は、黒田藩に属していましたから、いくらかの繋がりがあります。ただ蓮根の糸…

近くの川でクレソンをよく見かけます。以前洋食皿に品良く載っていました。近ごろは西洋料理店などに縁遠いので、どうでしょうか。 外国種であり、清流にしか育たないと言われていたものですが、いまでは土着し、旺盛な雑草と化し、生活排水など嫌いません。…

小学生のころ、同級生に骨董屋さんの息子がいました。あるとき「渡辺崋山」の絵があるぞと吹聴しました。教室の一同は感嘆の声を挙げました。事実その家には崋山の掛軸がありました。 渡辺崋山の絵は偽物が多いそうです。その所蔵商品の真偽についていま云々…

庭の桃の樹は戴いたものです。紅白の花をつけますが、果実はなりません。両方求めるのはよくばりでしょう。その前に杏の花が咲き、そして散りました。 お雛様を飾りました。うちは娘ばかりでしたので、三月三日にはガラスケースに入った一族郎党を並べます。…

月日のたつのが早く感じられると、よく聞きます。まわりが同年代であるからでしょう。いずれにしても時間の単位は決められていて、長短はその人の気分でしょうから、老齢者と煩雑な仕事を短時間で処理する年齢層とは、違って当然です。 2005年3月20日午前１…

ある時ある新聞で「パラドクシカルという名の蛙」がいるという記事を読みました。面白かったので、写していました。残念なことに日付も新聞紙名を落としています。そこで、いぜん買っておいた『ものと人間の文化史64 蛙 碓井益雄先生著』を出して調べました…

サトウサンペイさんのブログを見て、早速表題の本を買いました。子供のころ、父親に「男の子が食い物事でガタガタ言うな」と躾けられていました。戦中戦後の一時期は、食べ物に苦情など云えません。飽食の時代となりましたが、衣服と食べ物とに財布に加重な…

昭和何年ことでしたか忘れましたが、福岡のデパート岩田屋で魚展がありました。魚の寿命が表示されていたのを、書き留めていました。 鮎1・真鰯 ８・鮃 ２５・真鯛 ４０・鯉 ５０・鯰 ６０（数字は何れも年数） 魚という生き物は存外長生きです。驚きました…

古い雑記帳を捲っていたら、日田市内散歩の途中、見かけた小さい詩碑から書き写したものがありました。町名は忘れましたが、ただ天保元年紙屋として創業のヤマニという文具店の傍だったことは書いています。 人世貴無事 不争名与功 鳥還喬木後 幽谷亦春風 注…

「開關時請小心」以前国鉄電車に乗ったとき、乗降口に書いてあった文字です。「ドアの開閉にはご注意」ということでしょう。漢字とは日本国民にとっても便利なものであることを痛感しました。 近ごろ「老人パス」の便宜を利用して、福岡市図書館を利用させて…

家の金魚は足かけ四年ほどなりますが、大小の差があっておよそ体重差は三倍あるのではないかと思います。同じ環境にあってこれほどの差がでたのが不思議な気がします。 金魚は室町時代末期に、中国から移入され、愛玩魚として品種改良され、鯉ともにいま世界…

殆ど毎日の新聞に折り込み広告が入っています。近頃は学年末であるせいか学習塾の広告も多いようです。女性向け薬や化粧品の「無料試供品」での誘いも多いのですが、なんと言ってもパチンコ店の半ペラ紙が競い合っています。激しい業界のせいでしょう。 郊外…