子育て犬

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AM10:00
今日のできごと
本箱の隅に昭和35年9月15日初版の「風土記日本第1巻」クジラとりについての詳しい記事があった。ものは取っておくものだ。
雑 記 帳
お江戸の珍犬( その二 )
わたし(筆者)が伊勢町を通りかゝると、牝犬の後ろを五、六匹子犬が慕いながらついて行く。多い子持だなあと思いながらやり過ぎた。
帰りしなそこを通ると、川岸近くに藁造りの小屋が見えた。覗くとさいぜんの牝犬と凡そ十五匹ばかりの子犬がいる。牝犬は乳を含ませたり、舐ってやったりと余念が無い。再び驚いて、近くにいる子供に尋ねると、産んだ子は四匹だが、再々外から子犬を持ってきては捨てるので、こんなに増えたんだと言う。
みな我が子と思って育てているようだ。愚かなので我が子よその子の区別がつかないものか、それとも哀れみ慈しみの心を持った犬なのだろうか。
(これも「わすれのこり」の話であり、四壁庵茂鳶という人が筆者です)。