赤ちゃんの夢

久しぶりにデパートへ入りました。勤めのころも殆ど店内で商品を買うことがありませんでした。衣類や靴類などは自分で買わないのが習性でした。仕事を辞めてからは、食品売り場くらいは覗きますが、志賀島の干物春鯒を買うくらいです。
先日は休日でもないのにかなりの客でした。食品売り場の売り子さんはみな真剣な眼差しで、好感が持てました。購買意欲の低下はデパートに限りません。消費者が物を持ちすぎていて、よほど差し迫って必要とするもの以外は買わなくなったのでは、とも思えます。お客さんは高齢者が多いようでしたが、ここしばらくは大切な客筋でしょう。
エレベーターに乳母車を押して若いお母さんが入ってきました。すっかり寝込んだ安らかな赤ん坊の顔を見とれて、どんな夢を見るのだろうかな、とぼんやり考えました。
私たち大人は経験や思考の残滓が夢となっているようです。更に恐怖や欲情などが醸すこともあります。生まれて間もない嬰児にそれはないでしょう。
膝下の位置にある赤ちゃんの呼吸器は、道路や床の埃に大丈夫なのでしょうか。