いろは歌留多

お正月でもほとんど使われないが、いろは歌留多があった。「犬も歩けば棒にあたる」などである。ほとんどが俚諺で、おおむね教訓であり、世知を含めた人事への批判ででもある。
なかには歴史に対する辛らつさもふくんでいる。「勝つも負けるも時の運」とは勝負は実力だが、「その時の運」も助力すると教えているようだ。
「一富士二鷹三なすび」など、今ではどうとっていいのかわからないものもある。
「石橋を叩いて渡る」が「一寸先は闇」であり、しかし「棚から牡丹餅」も勘定にいれ「とらぬ狸の皮算用」など「言わぬが仏」である。
とかく「聞いて極楽見て地獄」「仏の顔も三度まで」であり、「知らぬが仏」で「地獄の沙汰も金次第」「苦しいときの神頼み」とくる。「地震雷火事親父」ランクは昨今ご存知のとおりである。
「出る釘は打たれる」「長いものには巻かれろ」「ごまめの歯軋り」ゆえ「年寄りの冷や水」「凝っては思案にあまる」と「針の穴から天覗く」である。