雪の日

雨戸を開けると、牡丹雪が庭や電線に積もっていました。あらためて眺めると、蜘蛛の巣のように電線が張り巡らされていますね。雪は落ちそうで落ちません。ことに電柱に付属のトランスや碍子などにはかなりの量があります。そして風が吹くたびに粉雪になって舞います。
「雪は綺麗で、酷いもの」
勤めのない私はぼんやり雪景色を眺めるばかりですが、吹雪のなかでの仕事を思い出します。この呟きは、年若い女中さんや丁稚さんが、戸外の積雪を寒そうに見ている絵に添えてあったので、記憶しています。
殆ど使いませんが、我が家にも雪見障子があります。障子一枚でもかなり寒さ凌ぎになります。暖かい室内から真っ白な牡丹雪の積もった様子をガラス越しに眺める、まったく雪は綺麗で、酷いものです。