思案のほか

この近くの御笠川の水量は多くないのですが、鯉・鮒・鮠・鯰などが泳いでいます。勿論緋鯉や真鯉などは放流されています。鮒鮠などは自然に増えたものと考えられます。いくらか生活排水が混入している水落ち付近には、四季を通じてかなりの魚の群れを見ることができます。生活排水に混じった栄養分が少なくないのでしょう。近ごろは孵卵したばかりの鮠の群れも多く見られます。
ところで、ギンブナは全国に等しく生息していますが、まれに雄がいることがあるが、雌性発祥することを初めて知りました。
 ギンブナの人工受精で調べると、ゲンゴロウブナやドジョウ、タナゴなどの遺伝子を持った精子の核は、卵核と融合しません。それらの精子は、ギンブナの卵を刺激するだけで、細胞分裂が始まります。ですから雑種はできず、ギンブナのみが生まれるのです。
このようなオス不要の発生法は「雌性発生」と呼ばれます。つまり時期や場所を同じくするキンブナやゲンゴロウブナなどの精子が雌の卵を刺激して子孫を残しているのでしょう。ただこのような雌性発生という繁殖方法を、ギンブナがどう獲得したのかという理由はまだよくわかっていないようです。「トビウオは何メートル飛べるか 加藤憲司著」」によります。
自然界には思案のほかということが沢山ありますね。