鶉衣(私のハテナ12)

先日本屋で横井也有著鶉衣(上)を見た。明治のおわりに出版された俳諧俳文集は持っているが、重たい本なので手ごろな岩波文庫を買った。
父が鶉を飼っていたことがある。生き物を飼うのは存外手間暇かかる。私のよくするところではない。素人が養鶏に手を出すのは今では考えられないが、以前は珍しいことではなかった。ちかごろのように人家が密集し、近隣の神経が細くなり、騒音悪臭云々の環境ではとうてい飼うことはできない。チャボではあったが、電球の孵卵器で雛を孵したこともあった。それにしても卵の廉価さは不思議な気がする。
遠足には茹卵が常番だった。そのころのは硬くて剥きやすかったように記憶する。ちかごろの殻は薄いせいか、剥くのに難儀する。私が不器用なのせいであろうか。