蝉のことはよく判らないそうだ

いまもあるかどうかは知らないが、小学生のころ昆虫採集という夏休みの宿題があった。あれこれ道具立てが要った。小学生にとってはかなりの出費で、当然父兄の負担であった。
それは措いて私は蝉の捕えが下手だった。集中力散漫で蝉の所在がなかなか捉え難く、よく取り逃がした。
毎朝猛然と鳴きまくる蝉の歓声には、幼虫時代地中で過ごす彼らの歳月にいくらか免じてはいるが、だが日中陽射しの激しさを避けて鳴くのであれば、多少は顧慮してはと思う。
アブラゼミとミンミンゼミ(このあたりのクマゼミであろう)は五年、ツクツクボウシは二年ないしは三年(飼育による推定)だという。北アメリカにはジュウサンネンゼミと呼ばれ、これなど地中幼虫時代が十七年に及ぶであろう蝉もいるそうである。
思えばどんな思惑か生理かは判らない。
ところで地中生活が安穏かといえばそうでもないらしい。天敵まず思いつくモグラ・アリ・ハサミムシ更にはセミタケというキノコにも寄生されるそうである。