ルーペ眼鏡

帯状疱疹の痛み止めのお薬を買いに行ったとき、薬局に石坂浩二のポスターが貼ってあった。二枚目は眼鏡を掛けても様になる。中学生のころ眼鏡を掛けると勉学に勤しむ学生らしく見えそうだとのフウテンの寅サン的発想にとりつかれた。しかし否応なしに必要とする年代になって全く埒もないことだつたと思い当たった。端的に言えば眼鏡は鼻先の不便な夾雑物にすぎないのである。
近年眼鏡の価格が安くなった。以前は高級一眼レフカメラの値段を遥かに超えたものもあった。ただの二枚のレンズでありながらと不審だった。いくぶんお洒落の要素もあったからだろう。
この眼鏡には一〇年保証がついている。もちろん免責条項がついてはいる。それでなくても穏やかに使用うつもりではある。