ものには効用

百円ショップは便宜なもので、ほとんどの文具が賄えた。難を言えば遠くにあることだ。博多駅付近にある店は品揃いしている。躍進経済の中国で百円商品の供給が不自由しないのを疑問視はしている。
以前は扇子などあまり手にしたくなかった。ただし棋士などがさらりと使うのは洒落ている。なにしろ百円である。落としても惜しくない。
一昨年お盆にお寺参りをした折に扇子を戴いた。大名行列の絵柄絵も洒落ていたが、持ちまわって失うのを懸念した。そこで百円で品のいい扇子を買った。
確かに骨数は少なく造りも劣るのであるが、絵柄部分と要の間が透いている。まだらな骨の部分で陽射しを遮るとサングラスように強い光の反射が和らぐ。簾越しの効用のようだ。しかし平安朝のお姫様が翳す扇は間が透き過ぎて無理だろう。
百円扇子は外出時持ち歩いて便宜をしている。