痛痒

帯状疱疹に罹って一月になる。快癒したと思うのだが、友人の体験では一年掛ったと聞くと妙な気になる。
元々皮膚疾患の気配が身体中にあるので、言われてみると全快に自信を失くす。
痛痒を感じないという言葉がある。してみれば、痛いも痒いも神経は同根で処理しているのではないだろうか。
近ごろでは全く知る人の数も少なくなったと思うが、子供のころ霜焼けに悩まされたものである。炬燵で暖をとっているうちに足先がむず痒くなる。人によっては足の指先が熟し柿のように腫れ上がっていた。耳朶も同様である。まったく痛し痒しであった。
近年は豊満な体つきで栄養過多に神経を疲労させておられるので霜焼けのような症状は現れる余裕がないようである。