タテガミと角

もと上野動物園長(中川志郎氏)の著書によると、むかし同動物園には、体重が150キロを越えるライオンがいた。雄だったが去勢されてタテガミが落ちた。去勢して数ヶ月後、タテガミがぽろぽろ抜け始め、ついには雌と同じようになった。ライオンのタテガミは男性ホルモンの強い支配を受けるのである。
同じように春に去勢された鹿は、秋になっても角が硬くならなかった。タテガミのないライオンも角の柔らかなシカも外見ばかりでなく、性質すら雌のようになってしまった。
ここで思い起こされるのは、黄帝より五帝,夏,殷,周,秦の各王朝を経て,漢の武帝の晩年に至るまで,約二千数百年の歴史を総合的に叙述した、史記司馬遷の偉業だ。
そして明の洪武帝時代、つまり1403年から1433年間に、ジャワ・マダカスカル・スマトラ経てペルシャまでの大遠征をなしとげた鄭和もまた宦官であった。
勿論君側の奸として政を乱されたいくつもの事例はあるのだが。