ハカタヨ

福岡市内バスに乗ると、車内で英語・韓国語・中国語のアナウンスがある。殆ど耳にそよぐ音声ではあるが、遠来のお客様へのサービスでとして国内産の私には雑音として聞き流している。
外国語を頻繁に聞くのでいくらか外国語に聞きかじりの友人に尋ねた。「ハカタヨ」とは博多駅の韓国語である、と教えてくれた。
彼は韓国語に多少理解があるので違いないであろう。
ハングル文字は明瞭ではあるが、少々ここら言葉で言えば「スッチョナイ」−味気のない文字である。
近ごろ思い直したのであるが、日本文字の欠陥である。美学的には華麗な字を華麗に並べることで書道芸術としての効能がある。ただし明治時代に書かれた個人の書簡すら読み下すに難儀する。いわんやそれ以前の文書を読むのには古文書解読の知識がなければ全く不能である。
ハングル文字は草書などない。もし源氏物語が韓国にあれば現代の若者にも容易に読めるものであろうか。