饂飩屋の釜

ずいぶん前のことになるが、中国で四千年前の饂飩の化石?が見つかったという記事を「子供の科学」で読んだ。麺の調理法はシルクロードを経てイタリヤのスパゲッテイとなったとの説もあるそうだ。
確かに粒食と粉食が食文化を二分する。信州の新聞に蕎麦畑の写真が掲載されていたが、ものは考えようではあるが、水田の耕作が適しない痩せた土地に稗粟蕎麦など栽培されたと認識していた。その写真をみて、正直おやおやと思った。
西鉄大牟田線の駅には「やりうどん」という商号の店がある。手軽な店だからよく立ち寄る。ほとんど素饂飩を戴く。猫舌なので本当の味を知らないからであろうか。外で味の落ちる饂飩蕎麦には唐辛子を足す。
注文の品がくるまでいわゆる饂飩屋の釜を眺めることとなる。ここらの方言では、「しらくらたぐり」というが、下克上甚だしい。口舌の徒を悪罵して「饂飩屋の釜」という。いいえて妙である。