2011-01-01から1年間の記事一覧

徒然草の第二百四十三段を読んだとき、生意気な小僧だなという感想だった。兼好の父上も息子自慢を陰に隠して吹聴していたのではと思えた。注釈本もあまり踏み込んで云々していない。もとより古典の解釈に深みのある私ではない。 ところが、「ソフィーの世界…

古本もまた可なり

市の図書館は時々おそらくは貸し出し量の基準にそぐわない、つまり利用客が少ない書籍雑誌を放出する。なかにはあまり借り手のない本であってもうるさい方面があるのでいたずらに書棚に面を並べられたままの書籍もある。 そこで「神なき国のガリバー」田中康…

人を沢山雇ってくれる企業

私は経済学というものに信を措かない。昭和二四、五年ごろはやっと敗戦後の脱落感からいくらか気息を取り戻した感はあった。しかし就職難であって聞くところおとなしい思想の持ち主にのみパイが回されたようだった。そのころの時節には過激思想に加担した考…

蚯蚓神社

日照り続きの舗装道路で蚯蚓の死骸を見ることがある。不思議でならないのは雨上がりならいざ知らず蚯蚓にとって悪条件の環境になぜ現れたのだろう。土中にいれば安穏できそうなものに、である。 蚯蚓は世界に三千から一万三千種(学者によって説が違うそうだ…

金魚ェ金魚

「江戸売り声百景」の著者は殆ど同年宮田章司さんである。近頃往来で大声を発するのは、竿竹売りと廃品回収車だ。 私は北九州の小倉に住んでいた。著者同様売り声に郷愁を感じる。ただ地域性から故その種類は少ない。 天秤棒を担いだり、風鈴やガラス鉢など…

勤勉な蟻

まだ夏の暑さになれないせいか、なにかとなげやりな気分になる。 人間の蛋白質は四十二度前後で変性し始めるそうである。蟻はその点かなりの高温に耐えうる特殊な蛋白質で構成されている。それで陽射しの強い時間帯でも他の動物に邪魔されずに食餌を採りえる…

夏 雲

梅雨が開けたので威勢のいい夏雲が現れた。 江戸時代の俳人越谷吾山が編んだ「物類称古(東條操著)」によると、夏雲について地方によって呼び名が異なっていたようである。 江戸では板東太郎、大阪は丹波太郎、播磨で岩ぐも、九州では比古太郎である。これら…

食物連鎖

やはり蟻族の侵入が続いている。どうやら私に原因があるようだ。フケ性であるか、老化のせいか皮膚の欠落が甚だしい。特に頭髪が疎らになり、閑があれば、頭をかくのでPCのキーボードにも夥しく落下する。 家の者が侵入した蟻がフケを運んでいるのを見た、と…

亀の甲より齢の効

先年の大雨で近くの御笠川の鯉や亀などが下流に押し流され、しばらくして放流されていた鯉たちは姿を見せたが、亀はなかなか現れなかった。やっと先週甲羅を干している一匹を見た。 カメのきた道(著者平山 廉)で、カメの甲羅は、体の内部にある背骨や肋骨…

魚はなぜ跳ねるのか

川沿いを散歩していると、川面に小魚が跳ねているのを見かける。雨の前日によくあると聞いたことがあった。しかし必ずしもそうではない。 翼が欲しいという歌があるが、そんな差し迫った希望を小魚が持つはずない。 川面の上を飛び交う小虫を狙っているとも…

ものの値段

机の引き出しの雑品整理をしていたら、11年前のキャノワードミニ5とインクリボン10個の代金239000円也の領収書が出てきた。働いていたからでもあるが、よく思い切って購入したものだ。よほど悪筆に悩まされていたものと見える。 しかし電化製品やカメラなど…

不運な蟻の話

昨日塵のような蟻が新聞を読んでいる傍を右往左往していた。家の者が仲間を連れてくるから殺せと言った。それほどのことはあるまいと放免しておいた。 今朝明け方になって肘のあたりや耳傍に痛みを感じた。起き上がってどうこうするのも面倒なので暫くはその…

お江戸の話

岡本綺堂の半七捕物帖「二人の女房」を読む。筋のいい小説だ。何度読んでも飽かせない。 そのなかに花見の話があって、江戸から一泊で小金井に出掛ける。新宿・淀橋・中野・高円寺・荻窪・遅野井・ぼくや横町・石橋・吉祥寺・関前となかなかの道中である。 …

NHKのサービス

電気屋の広告が毎日の新聞に挟まっている。もっとも電気屋ばかりではなく、気休め薬の広告もやたらと多い。 TVも安くなった。慌てるなんとやらだ。そこでアンテナ工事に事寄せして早く買えと急かせている。 むかしのNHKはサービスがよかった。一度しか…

蕺草

先ほどのニュースでは、大雨のため見合わせていた八代あたりでの九州新幹線が運行を始めたそうである。このあたりも今のところ雨は止んでいる。 ちかくの紫陽花を眺めて回る。シーボルトの日本植物記にもこの花の種類が少なくないことが記されている。 この…

電車に乗りたい

小学生のころ、父は門司大里にある会社に勤めていた。小倉市小姓町に住んでいたから九軌の路面電車を使って通勤した。毎日乗るたびに切符を買うのかと尋ねたところ、回数券まがいになっている定期券にパンチで穴をあけていたようだと聞いた記憶がある。 戦後…

ワンセグ

電波がどうして届くのかいまだ判らない。しかし絵が見えればイイではないかとワンセグで地上デジタルを眺めていた。景物としてまアまァである。 そこで気づいたのが、TVの会社には、放送番組にそれぞれ放送技術の手抜きの塩加減があるようだ。 TV番組に…

沖ノ島

長崎市伊王島町は二つの島からなっている。長崎港への渡船場近くに橋がある。名を聞き漏らした。地図で認識しないと、下は川だと思い、海峡とだか瀬戸だとは気付つかない。まァ瀬戸というべきが穏当のような気もする。ちょうど橋桁の下を柴を積んだ小型漁船…

ワンセグアンテナ

新しいPCを買ったらTV機能が付いている。ただアンテナがないので使わなかった。機能があるのに使わずにいるのも癪だからワンセグ・アンテナを購入した。勿論家庭用TVとは画質その他の点甚だ劣る。もっとも地上デジタルだけだからか新聞の番組表からの選択に…

びっくり腰

先週一寸した重量物を動かして、腰を痛めた。びっくり腰又の名をぎっくり腰ともいう。老人にはさして珍しい現象ではない。しかし挙動甚だしく不自由である。 港町で多少全身酷使する仕事をした二十代のころに、原因不明の発熱のため、医者の診断を受けた。そ…

今村天主堂

三井郡大刀洗町に今村天主堂がある。 天主堂は、殉教者ジョアン又右衛門の墓跡に、大正三年、五島出身の鉄川与助が完成したものである。かれ三四歳の作である。 この地今村(字今)当時五百人の隠れキリシタンがいた(邪宗門一件口書帳)。現在およそ二百世…

そうか。考えすぎか

むかしの写生帳が出てきた。湯本温泉に一泊して萩・青海島巡りをしたときのメモが貼り付けてあった。 ○先日、萩・湯本・青海島を巡って、一泊旅行をした。 湯本の宿で、所在ないまま外を見ていた。音無川に架かった小さな橋の外灯は、明るすぎるくらいで、七…

ナンジャモンジャの樹

ナンジャモンジャの樹とはどんなものかと思ったことがあった。しかしそのことはすぐに忘れてしまった。壱岐島に有名な樹があるそうだとも聞いていたのだが、ホウそんなものかであった。 近くの屋敷内にまるで雪をかぶったように真っ白な花が青葉を隠す樹があ…

じっと掌をみる

暖かな日が続くとカナヘビが徘徊する。前後の脚には指先が五本ある。人間同様五本指の同類は多い。進化についての疑問符は宗教心に専念する人に限らず、閑を持て余した人でも思いつく。 男性の体躯に乳頭の痕跡があるのをしばらく熟視しすると、もともと男女…

缶入りトリスのハイボール

昨年から好みが復活したのか、商業ベースに載せようと計られたのかハイボールの店頭に多く並ぶようになった。もともと酎ハイも売れていたのだから目先を変えてのことだろう。 トリスバアというのが流行った時期があった。トリスを呑んでハワイに行こうという…

銀座カンカン娘

この歌はよく唱ったものだ。ところが映画は観ることができなかった。同じように見たくて見ずじまいになった「象を食った連中」と言う映画もある。残念である。 先日「銀座カンカン娘」を部分ではあるが動画で見ることが出来た。好きな人がいて保存していたの…

象の長旅

ジーボルトが文政九年一月九日長崎出立、江戸までの道中記がある。そのちょうど百年前、享保一一年三月一三日同じ道中を牡象が大勢の世話係に伴われて江戸へ出発した。 牡牝二頭が中国貿易商の思惑で長崎港に陸揚げされる。将軍吉宗に献上するためだ。ところ…

ご用心ご用心

玄海灘に面する地域に住んでいたことがある。火山灰加工場の跡を見たことがった。怪訝な感じがしたが、さほどの関心もなかった。ところがこの火山灰はなかなかな時代考証のものであるそうである。 これは約2万5千年前に姶良カルデラの巨大噴火が噴出した大量…

耳納の山裾

太宰府あたりからだと久留米高良山がかすかに眺められる。その山裾に沿って国鉄久大線が走る。学生の利用客が多いようだ。特急待ちが間々あるのはお金勘定のJR故仕方あるまい。 昨日草野町を歩いた。藤原氏の流れを汲む草野氏が住まいとしたところである。…

風力発電もあり

以前九州電力のパンフレットによって、すこし古い情報だが鹿児島県の野間岬に設置された風力発電についての知識を得た。その折、九電は未来に向けて「電源のベストミックス」として原子力を軸に、石炭・LPG・石油・水力などそれぞれの特性を生かしてバラ…